2016年舞台鑑賞総括

2017年、新年明けましておめでとうございます。

こういうテーマは、年度内に取り上げるべきものなんでしょうが、今頃になって振り返り。

2016年は5月~6月にかけて大好きな歌手が来日するという、気分がそわそわして落ち着かない一方、楽しいことのたくさんあった良い1年でした。また、東京から大阪に転勤するという、舞台鑑賞環境にも変化のある年となりました。

さて、ここで足を運んだ公演数のカウント。

合計65公演

1月4回、2月7回、3月9回、4月4回、5月3回、6月4回、7月5回、8月2回、9月9回(内海外4回)、10月4回、11月9回、12月5回

転勤の内示があった3月に9回はキツかった。送別会、引継ぎ、引越し、と忙しかった中で9回もよく行ったもんだ。これでもプレガルディエンの公演は諦めて人に譲ったんだから。4月以降も、新国立劇場N響定期の公演を中心に、人に譲ったり、おけぴに出したり。何よりもローエングリンの平日の2公演を諦めざるを得なかったのは残念でした。

でも、5月~6月にかけてのフォークトさん祭り2週間は、思いがけない嬉しい出来事があったりして、大いに楽しみました。5月29日の新国立劇場のシーズンエンディングパーティー(ゲストは飯守先生とフォークトさん!)の抽選に当たったり、出待ちをしてサインをいただいたり、SNSで知り合ったフォークトさんファンのみなさんにお会いしてお話をしたり、本当に充実した2週間でした。

そして一番嬉しかったこと。それは、フォークトさんの「美しき水車屋の娘」が目の覚めるような素晴らしい公演であったこと!2013年の同会場同演目のリサイタルでは明らかに調子が良くなかったし、こちらの期待が大きかっただけに、大ファンである私も少なからずがっかりな気持ちになった公演だったのだ。でも今回の公演は会心の歌!やっぱり本当はこんなふうに歌えるんだ!と満足感と幸福な気持ちで満たされ、また彼のポテンシャルに心躍る公演でありました。

さて昨年1年、印象に残った演奏会は私らしく声楽がらみが多かった。

・イェスティン・デイヴィス(カウンターテナー)リサイタル★

・東京春祭 ジークフリート

新国立劇場 ローエングリン

・クラウス・フロリアン・フォークト 美しき水車屋の娘★

N響 千人の交響曲

・ペトレンコ指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団ミュンヘン

ザルツブルクイースター音楽祭 ラインの黄金

・読響 第九

とりわけ、イェスティン・デイヴィスとの出会いは嬉しいものでした。彼の柔らかく、美しいクリアな声にはすっかり魅了されました。一声で心をつかまれた歌手はフォークトさん以来のこと(たぶん声の特徴が似ているのだな、この二人→※あくまで当社比)。これからも積極的に聴く機会を持ちたいと思う歌手と出会えました。幸せなことです。

海外遠征は、9月ウィーン、ミュンヘンでの3日間。ウィーンでは、フィリップ・ジョルダン率いるパリ国立歌劇場管弦楽団ミュンヘンキリル・ペトレンコ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団、を聴いた。これから確実にますますの活躍が予想される二人の指揮者を聴けてラッキーだったと思う。特にペトレンコの指揮は、ところどころにこだわりを感じるもので、オケの奏者に一音たりとも何気なく音を出すことを許さないといった気合を感じた。そして、気持ちをわくわくさせるものであったことは確か。彼とベルリンフィルの組み合わせは、そうとう面白いことになるのではないかと思う。私にとってベルリンフィルは硬派で重戦車みたいなイメージのあるオケだが、ペトレンコのロマンチックなアプローチによって演奏に違った傾向の変化が出てくるのではないだろうか、と考えている。どうなることか、楽しみに待っていよう。

今年は、経済的に東京にばかり通っているわけにもいかないので、大阪、兵庫、京都、滋賀でのオペラや声楽がらみの演目を中心に、公演をしぼって少しのんびりと聴いていきたいと考えている。

お金をためて、海外遠征に備えたい。5月にミュンヘンタンホイザー、8月にバイロイト音楽祭に行く計画をしている。どちらも楽しみだ。