2015.03.14 東京交響楽団第628回 定期演奏会

ジョナサン・ノット&東響のワーグナーパルジファル」抜粋を含む演奏会。

1階前から2列目、下手側のブロックの席だったので、全体のバランスは悪かったと思うが、ノットさんの指揮はよく見えた。

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東京交響楽団FBページより

最初のステージ、ベルク抒情組曲。弦の透明感ある美しい音が印象に残った。ベルクまで現代音楽に近づいてくると、もう私には理解不能。面白い曲、不思議な曲、という感想しか、、、情けない。

そして楽しみにしていたメインステージ、パルジファル

第1幕への前奏曲~第2幕より抜粋~聖金曜日の音楽、という構成。第2幕は、花の乙女のシーンの終わりから2幕最後までの、クンドリとパルジファルのやり取りの場面。

前に書いた通り、歌を聴くにはあまり良い席ではなかった。声が頭上を抜けていく感はいなめず、遠い側に立ったエルスナーさんの迫力ある声を(いろんな人の感想によると)味わい損なったようで残念。もちろん、ドイツ語の発音もきれいで、ヘルデンというよりも、柔らかな余裕を持った歌声は堪能できた。

クンドリのペンダさんは、すごい声。クンドリという役は、上から下までの音域をまんべんなく鳴らし、いったり来たりの乱高下、難しい役だと思うが、見事に歌っていたと思う。キリストを見て笑ってしまった、と歌うくだり。「lachte」の一声のド迫力。素晴らしかった。

指揮のことはあまり良くわからないが、ノットさんは丁寧に指揮をする人というイメージ。昨晩、特にワーグナーは、相当気合いも入っていて、ところどころうなり声も聴こえてきた。

冒頭の前奏曲、そして聖金曜日の音楽、ワーグナーの美しい音楽にひたすら感動しながら聴いていた。パルジファルは、ワーグナー作品の中で一番美しい曲がちりばめられた作品だとあらためて思う。

ワーグナー作品の演奏に、音の重厚さを求める方が多いように思うが、私はあまりきにならない。チャカチャカした軽い演奏でなければ、ワーグナーの音楽の素晴らしさをじゅうぶんに味わえると思うから。

大満足な演奏会だった。

日時:2015年3月14日(土) 18:00 開演

曲目:ベルク: 『抒情組曲』から 3つの小品

    ワーグナー: 舞台神聖祝典劇『パルジファル』抜粋

指揮:ジョナサン・ノット

演奏:東京交響楽団

出演:テノールクリスティアン・エルスナー

    ソプラノ:アレックス・ペンダ

会場:サントリーホール